ちゃんすーの受験記

大学生のちゃんすーが勉強や受験情報を発信中

半分だけ東大に合格した話

はじめまして。東京の某私立大学に通っているちゃんすーです。

この記事では、私の受験生活を振り返り、これから受験に挑む高校生にいくつかのアドバイスを残しておこうと思います。タイトル通り東大受験を扱ってはいますが(興味ない人はそこは飛ばして)、アドバイスは受験生なら誰でも一読しておくべき内容になっています。

 

目次

 

 (1)東大を目指したわけ

高校1年生の私は、担任の「とりあえず高めに設定しておけ」というアドバイスに馬鹿正直に従って、進路調査書に適当な志望校(仮)を書き込みました。当時、特に夢とかやりたいことはなかったし、大学受験なんて遠い話だと思っていたから。第一志望校の欄には...東京大学

日本でいちばんの大学といえば、東大。とりあえず東大を目指しておけば、のちに志望校が変わったって楽勝だろうと、そう考えたわけです。

担任との二者面談は、幸か不幸か担任が適当な人間だったため、志望校については何も言われずに終了。まあせいぜい頑張れよ、と肩を叩かれました。

 

1年間、そこそこ勉強を頑張って、留学したり部活をしたり、そこそこ課外活動も頑張って、あっという間に過ぎました。

夢が決まったら行きたい大学も決まるだろうし、それまでの志望校(仮)は、東大にしておけば間違い無いだろう。そう思って、2年春の進路調査書も東大で提出しました。

 

ところが、です。待てど暮らせど、夢もやりたいことも見つかりそうにない。そう気づいたのは、2年の秋、3度目の進路調査書が配られた時期でした。

流石にやばいと思って真面目に志望校を調べてみたものの、どこもなんだかしっくりこない。苦肉の策として、聞いたことある名前の学校を調べてみたり、なんとなく目に止まったパンフレットをぱらぱら眺めてみたり。

そんなある日、とある学校のHPを開いた瞬間に、ここ行きたい!と思う、運命の出会いを果たします。それが、私が今通っている某私立大学と、もうひとつ。東京大学でした。

 

 (2)東大受験への道のり

ところで東大には、多くの人がイメージするような学力試験である「一般入試」だけでなく、高校在学時の活動や論文、人物が評価される「推薦入試」が存在します。(推薦入試は、一次試験が書類選考、二次試験が面接と共通テスト)

私の高校は特に進学校でもなく、どちらかというと偏差値の低い部類に入る学校だったので、もちろん東大合格なんて過去0人です。先生には「東大の一般入試は厳しい」ともはっきり言われていました。ただ、部活で全国レベルの記録をいつくか残していたことと、課外活動に力を入れていたこと、そして文章を書くのと人前で話すのが得意だったことから、この「推薦入試なら勝算がある」と言われたのです。

 

私は元来、勘違いの激しいタイプで、これまでもいい意味で「勘違い」して突き進んできた人間でした。この時も例に漏れず、「勝算がある」という先生の言葉を、なんと「受かる」と勘違いしたのです。そんな最中、新型コロナウイルスの感染拡大により、学校は休校に。さらに私は、やたら行動力のある、というかありすぎる人間でした。休校期間、すなわち先生からの冷静な意見が届かない環境で、この2つの長所(短所?)が発揮され、私は一人、東大受験への道のりを歩みはじめることとなったのです。

 

(3)いざ、東大受

夏までは、勉強は高校3年間の復習に努め、推薦入試の準備として論文を執筆していました。なんとも不思議なことに、どんなに探しても見つからなかった「やりたいこと」が、論文執筆を通して見つかり始め、東大に行きたいという気持ちは日に日に強くなっていきました。準備は順調に進むも、夏の模試で全然点数が取れないことに気づき、そこから一気に勉強にギアチェンジ。実は推薦入試といっても共通テストで8割以上得点することが条件になっており、それなりに勉強もしなければならなかったのです。(勉強についてはまた別の記事で詳しく書きます)

 

そんなこんなで、秋。東大の推薦入試一次試験の時期を迎えました。

論文、志望理由書、そしていくつかの活動実績や成績を送付し(といってもアップロードするだけ)、無事出願完了。ここから一次の合格発表までは、ひたすら勉強。ここら辺でやっとマークの点数が取れるようになってきたのと、東大にどうしてもいきたいという思いが強くなっていたので、一般の二次試験を見据えた勉強もしていました。

 

12月頭、一次試験は無事合格。

しばらくはプレゼンや面接練習をしながらも、ひたすら勉強を頑張りました。12月中旬の面接試験はそれなりにこなし、滑り止めの学校も決まって、あとは本当に勉強のみ。寝る時間以外は、ほぼ全て勉強に費やしました。

 

年が明けて、1月。共通テストは、全体で8割ちょっとの得点。

前期、共通テスト利用、私立も出願し終え、推薦の合格発表を待ちながら、二次試験の勉強に励みました。私は、推薦の勝率は、この時点で五分五分かなと思っていました。いや、勘違いの激しい私は、ほぼ受かったようなもんだなとタカを括っていたのです(もちろん受験生はとてもナーバスなので、3時間に一回は落ちていたらどうしようと考えてパニクってましたが)。

 

その結果、二次試験は、なんと不合格。

ついでに、国公立の前期試験・後期試験、ともに不合格。

”半分だけ”東大に合格するという、とんでもないオチでした。

 

(4)ささやかなアドバイス

国公立全落ちした人のアドバイスなんて役にたたないと、そう思う人もいるかもしれません。しかし、失敗から学べることはたくさんあるはずです(もっとも、私自身は自分の受験が失敗だったとは微塵も思っていませんが)。具体的な勉強法などのアドバイスは別の記事に書きますので、ここには受験におけるマインドセットに関してアドバイスを置いておきます。

 

その1:諦めず挑戦すべし!

志望校の判定が悪かったり、点数が思うように上がらず伸び悩んだり、先生にお前には無理だと言われたり、、、諦めてしまいたいと思うことは、これからの受験において何度もあると思います。そんなときは、妥協せず、やりたいことや行きたい学校に挑戦してください。やりたいことに全力で挑んだ結果なら、たとえ志望校に落ちてしまっても、それはあなたの人生を豊かにしてくれる経験の一つになります。

私は第一志望校に落ちましたが、自分の受験生活にひとつの悔いもありません。それは、「もし落ちたとして、この選択に納得できるだろうか」と常に自分に問い続けてきたからです。ここで諦めて志望校を下げて、もし落ちたら?ーーーそんなことになるなら、第一志望校にチャレンジして落ちる方がいいじゃないか。そう考えたわけです。(ちなみにこの考えで受験校を決めたので、前期後期とどちらもチャレンジ校にして無事落ちました笑)迷ったときはぜひやってみてください。

その2:いますぐ本気になるべし!

 「そのうちやりたいことが見つかるだろう」という甘い考えは今すぐに捨てましょう。ぼんやり待っていても、やりたいことはやってきません。自分から迎えに行かねばならないのです。そのためにあなたがすべきことは、いますぐ本気になること。受験であれば、志望校に一歩でも近づくための準備や勉強を始めることです。

また、合格者体験記なんてものが世の中に溢れているせいで、奇跡の逆転合格が起きる!なんて簡単に思っている人が結構います。私に言わせれば、逆転合格は奇跡でもなんでもなく、血の滲むような努力の結果です。さらに言えば、その努力をしたとて、ギリギリのラインで不合格を手にする人もいるのです。そんな厳しい世界で、あなたが合格を手にしたいと思うなら。いますぐ、本気になってください

 

その3:受験を楽しむべし!

私は受験をきっかけにして、自分がやりたいことに本気で挑戦するというかけがえのない経験をすることができました。もちろん受験期は苦しかったし辛い思いもたくさんしました。でも今思い返せば、先生と夜中まで論文について語り合った時間も、友人と抱き合って泣いた日も、一日中シャーペンを握ったせいで手が開かなくなったのも、めちゃくちゃ面白いし楽しかったなと思うのです。

受験を楽しめる人は、正直いって最強です。だって、マイナスな気持ちで勉強するより、楽しんでやる方がずっと効率も上がるし勉強時間も自然と増えるから。落ちても受かっても、その時間を受験に費やすことに変わりはありません。それなら、全力で楽しんだほうがいいとは思いませんか?

 

(5)受験生に伝えたいこと

これから受験に臨む高校生に伝えたいことは、「合否が全てじゃない」ということです。

私は第一志望校に落ちましたが、受験期を通じてやりたいことを見つけることができたし、自分を好きになることができたし、何より最高に楽しく充実した1年を送ることができました。

受験というのは、合格がゴールではありません。もちろん、希望進路を実現することができたらそれが一番ですが、それだけに囚われるのは勿体無いです。受験は、合否が全てじゃないんです。

 

勇気が出ないとき、辛くて苦しくてたまらないとき、結果に落ち込むとき、、、不合格を想像して恐ろしい気持ちになるかもしれません。そんなときは、私の言葉を思い出してください。

受験を通して何を学び、得て、自分のものにしたか。

これが大切です。学びのない合格には意味も価値もないし、逆に実りある不合格には大きな意味があります。落ちようと受かろうと、そんなことは大した問題ではないのです。

 

合格は一瞬の肩書きを与えてくれますが、受験で得た人生経験は一生の財産になります。合否にとらわれず、その受験で自分が何を学び得ているかを問い続けてください。そうすればきっと、最高の結果が待っているはずです。

 

それから、これから勉強法や、浪人しなかった理由、やりたいことの見つけ方なんかも記事にしていきたいと思っています。ぜひ他の記事も覗いてみてくださいね。それでは。